導入事例 | SCORER

しっかりした技術力と情報のキャッチアップの速さを高く評価

作成者: TIS株式会社様|Jul 11, 2020 6:28:47 AM

 

様々な分野におけるシステム開発やITサービスの提供を行うTIS株式会社。なかでもAI&ロボティクスサービス部が提供するRoboticBaseというプラットフォームの中で、ロボットの映像データを解析してビジネスに役立てる機能を開発しています。同システムを支えるのが、フューチャースタンダードが提供する映像解析プラットフォーム「SCORER」。同社はなぜSCORERを選んだのか。AI&ロボティクスサービス部の長井大典様に伺いました。

一緒に取り組んだ案件を通して、信頼できる会社だと思った

――SCORERを使おうと思ったきっかけを教えてください。

長井:フューチャースタンダードさんを知ったのは2016年のことでした。当時、IoTが業界のホットなキーワードで、当社としてもIoTを事業としてやっていこうという話が出ていたのです。特に製造業界からは映像解析を導入したいという声を多くいただいていました。

そこで映像解析に関するパートナーを探していたところ、別の会社からの紹介で知ったのがフューチャースタンダードさんのSCORERでした。

――フューチャースタンダードの第一印象はいかがでしたか。

長井:AIに関するベンチャーは他にもたくさんありましたし、最初は様子見という感じでしたね。フューチャースタンダードさんとの最初の取り組みとして、製造業の工場で人の動きをカメラで解析するシステムを一緒に開発させていただきました。その際、お客様からいただいたご要望などについても真摯に対応していただき、信頼できる会社だと思いました。

――ありがとうございます。

長井:そこから、中古車販売の車の配置を映像で撮って解析する仕組みなど、いくつかの案件でご一緒しました。そこでもフューチャースタンダードさんには様々なアイデアをいただき、技術的にも信頼できるということで、現在は出資もさせていただいております。

しっかりした技術の芯があり、最新技術のキャッチアップが早い

――現在はSCORERを活用した新たな取り組みを始めておられます。SCORERについてはどのような印象をお持ちでしょうか。

長井:正直なところ、我々の方でもSCORERのような映像プラットフォームはつくれなくもないですし、実際に当社も映像解析を事業として行っています。そもそも映像解析技術はどの会社も論文や学会で発表された技術をソフトウェアにしているので、将来的には製品による差はなくなっていくだろうと予想しています。

ではSCORERの良さは何かといいますと、まずはフューチャースタンダードさんという信頼できる企業が開発していることです。開発者の方もしっかりした技術の芯を持ってお話ししてくださるので安心してお任せすることができます。

フューチャースタンダードさんは最新技術のキャッチアップも早いですね。論文や学会で発表された技術もいち早く取り入れていますし、それをもとにいろいろなアイデアを出していただけます。

技術面でいうと、SCORERはAWSをベースにした王道のサービスであり、変に尖っていないのがいいですね。こだわりを持った尖った製品もいいのですが、当社としてはそこまで求めていないですし、王道の方が使いやすくて助かります。

ロボットによる撮影データをSCORERで解析するプラットフォームを開発中

――現在、SCORERを活用した製品・サービスの開発が進んでいるそうですが、どのようなものになるのでしょうか。

長井:今、当社では人とロボットが共生するためのプラットフォームを開発中です。警備や掃除用のロボットには必ずカメラが搭載されていますが、“眼の前にものがあれば避ける”といった移動や作業のためにカメラを使っているだけで、そこで撮影した映像データは現在、ほとんど活用されていない状況なのです。ですから、映像データをせっかく撮っても、どんどん上書きして消しているのが現状です。

――せっかく映像データが撮れているのにもったいない気がしますね。

長井:そうですよね。そこで、ロボットのカメラで取得した映像データを解析するプラットフォームを開発しているというわけです。解析には3段階あり、まず現場で簡単な判断ができる解析のシステム、そしてそれを少し詳しく解析するシステム、最後に他の要素なども加えて、より詳細に解析するシステムです。SCORERにはこの2段階目までを任せたいと考えています。

――どんな場面での活用を想定されていますか。

長井:ホテルや空港、ショッピングモールなどへの導入を想定しています。掃除ロボットについているカメラの映像を活用すれば、警備も一緒にできるのではという発想です。もちろん、こうした施設には監視カメラがありますが、実は固定のカメラというものは必ず死角ができてしまうんです。

その点、ロボットであれば移動できますし、カメラの角度も変えられるので死角ができにくく警備にぴったりです。ロボットのカメラを通して警備を行い、気になるものが映ったら人間の警備員が確認するというやり方が、今後増えていくのではないでしょうか。警備業界も人手不足ですから、そこをロボットでうまく補完できればと思います。

SCORERはAIの導入ハードルを下げてくれるサービス

――今後の展望についても教えてください。

長井:SCORERとドローンを駆使して、小売や倉庫の棚卸しが自動でできるシステムをつくりたいですね。

――ロボットではなくドローンですか。

長井:ロボットはジャンプなんかができないので、高いところを見ることができないんです。そういうところをドローンでカバーしていきたいと思っています。

――映像解析をはじめとするAI技術はこれからどうなっていくでしょうか。

長井:あくまで一般論ですが、AIってスマートフォンのようにアプリをインストールすれば使えるという技術ではないんですよね。それがAIのハードルを上げている面はあると思います。ほしいAIを検索して、ロボットにインストールすればすぐ使える――それくらい簡単にAIが使える時代になってほしいところです。簡単で安価に使えるSCORERは、まさにそうしたAIのハードルを下げてくれるサービスだと思います。

―今後、SCORERの導入を検討されている企業へ向けてメッセージをお願いします。

長井:当社のようなITサービス企業だけではなく、その他の業界の方にとっても使いやすいプラットフォームだと思います。AIを使ったサービスや仕掛けをつくるのに役立つ製品です。

一方で当社のようなシステムを作るプロ側にとっても便利なプラットフォームです。フューチャースタンダードさんがアイデアをくれたり、いろいろと対応してくれたりするので、安心してどんどん使ってみてほしいですね。